編 |
体質を改善するというのは可能ですか? |
刑部 |
昔、抗アレルギー薬というのがないときは、スギの花粉とかハウスダストとか、体質改善の治療をかなりやられたことがあるんですよ。どういう治療法かというと、減感作療法と言って、たとえばスギの花粉だとわかったら、スギの花粉のものすごく薄い一千万分の一くらい薄めたものを少量打っていくんです。原液を打っちゃったら発作を起こしちゃいますから。弱いものを二年くらいかけて、二日に一度づつ打っていくわけですよ。一千万から百万、百万から十万、一万という具合に徐々に薄皮を剥がすようにアレルゲンを増やしていくんです。そして最後には原液ですね。80%くらいの改善率があるっていわれているんです。 |
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体質改善のために、アレルゲンを打つリスクを語る刑部先生。 |
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でもこの治療法は小さな病院ではやらない方がいいと思うんです。なぜかというとアレルゲンを打つから発作を起こして呼吸停止とかになっちゃう場合がありますよね。非常に危険だから救急施設がちゃんと整っているところじゃないと駄目です。そうすると大学病院などの大きいところですよね。そこに一週間に2、3回、2年間通い続けられる人っていうのは限られてるでしょう。普通に働いている人は行けないですね。大学病院に行ったら半日かかりますから。 |
編 |
そこまでやって二年後に治らなかったらいやですね。 |
刑部 |
そういうこともありますよね。そのうち遺伝子組み換えで治りやすい人、治りにくい人というのがわかるようになるんじゃないですかね。それは期待してください。体質改善は、小学校にあがる前のお子さんなら、お母さんが付き添ってあげれば大学病院でも通えますけどね。 |
編 |
でも子供だと怖いですよね。ショック死したりしたら。 |
刑部 |
そうですよ。体質改善っていうのはよほどのことじゃなくてはやらないですよね。 |